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防水工事の種類と耐用年数、メンテナンスの重要性を解説!

建物を長期的に維持するためには、建物を水から守るための防水工事が不可欠です。

何も手を加えずに放置していると、知らず知らずのうちに建物内へ水が侵入し、安全性が大きく損なわれてしまう可能性も。特に賃貸物件を有している場合は、適切なメンテナンスが経営の安定化にも繋がるでしょう。

本記事では、防水工事を行うメリットや施工法の種類について解説します。種類別の耐用年数や工事・メンテナンス時期の目安となる劣化症状についても触れているので、現時点で防水工事を検討している方や雨漏り等でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

防水工事とは?

防水工事

防水工事とは、建物の漏水を防ぐために、屋根や屋上、外壁、バルコニー等に防水処理を施す工事のことです。

どんな建物も常に雨風や紫外線によるダメージを受けており、築年数を重ねると雨漏り等の劣化現象が起きてしまいます。仮に雨漏りを放置した場合、建物内部へ浸透した水分が木材や鉄骨を腐食させ、安全性や耐震性は著しく低下。建物の寿命を大幅に縮めることになるでしょう。さらに、湿気によるカビやダニの発生リスクも高まるため、人体に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

そこで重要なのが防水対策です。定期的に防水工事&メンテナンスを行うことで建物を良好な状態で保てるようになり、結果的に建物を長寿化させることができます。

防水工事を行うメリット

まずは、防水工事を行うメリットを押さえておきましょう。

<防水工事のメリット>
①建物の寿命を延ばすことができる
②劣化部分の補修や修繕ができる
③建物の美観を保つ

それぞれ解説していきます。

①建物の寿命を延ばすことができる

先ほどもお伝えしたように、建物にとって水分は天敵といっても過言ではありません。そのため、建物を長寿化させるには、外部からの水の侵入を徹底的に防止することが重要となります。

防水工事は、その名の通り「水の流入を防ぐ工事」です。早い段階で施工することにより、建物の耐水性を高められます。大雨や台風によるダメージを受けにくくなるため、建物全体の耐久性の向上にも繋がるでしょう。

②劣化部分の補修や修繕ができる

防水工事の施工過程の1つに「下地補修」と呼ばれる作業があります。これは防水工事前に建物のひび割れや浮き、欠損等を補修するもので、施工後の防水効果を高めるために重要な作業です。

もし、施工部分に劣化が見られる場合、1つの業者で防水工事と下地補修を施工してもらえるケースが多いため、別途補修を依頼する必要がありません。複数の業者とやり取りする手間や煩わしさを省くことができるため、ストレスフリーかつスムーズに工事を進められるでしょう。

③建物の美観を保つ

メンテナンスを怠っている建物は、築年数の経過とともにひび割れやタイルの浮き、錆等が発生し、見た目が悪くなってしまいます。しかし、防水工事を行えば、上記でお伝えしたように劣化部分の補修が可能。美観を回復し、長期的に維持することができるようになります。

特に、アパート・マンションやビルを経営している場合は、建物の見た目が家賃収入に影響してくるため、早い段階で施工することをおすすめします。

※賃貸住宅の計画修繕について詳しく知りたい方はこちらの資料もご覧ください。
>『民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック』(国土交通省 住宅局住宅総合整備課賃貸住宅対策室)

防水工事&メンテナンスを検討すべき劣化症状

次に、防水工事やメンテナンスの実施サインとなる代表的な劣化症状をご紹介します。

<外壁>
・ひび割れ
・タイルやコンクリートの浮きや剥がれ
・チョーキング(塗装表面を触るとチョークのような白い粉がつく現象)
・変色

<室内>
・雨漏り
・漏水による天井の染み

<屋上>
・ひび割れ
・水が溜まる、水はけが悪い
・雑草が繁殖している
・塗装や防水シートの剥がれや浮き
・防水シートの破損

上記のような症状を目視で確認できる場合は要注意です。放置してしまうと手遅れになってしまう可能性もあるため、早めに業者へ相談しましょう。

防水工事に関するご相談はこちらから

防水工事・補修工事の種類と耐用年数

ここからは、防水工事・補修工事の種類について解説します。

注目したいポイントは種類別の耐用年数です。これがメンテナンスを行うタイミングの1つの目安となるため、ぜひ参考にしてみてください。

代表的な工法は以下の6つです。

・ウレタン防水
・FRP防水
・ゴムシート防水
・塩ビシート防水
・アスファルト防水
・シーリング工事


それぞれの特徴を詳しく確認していきましょう。

ウレタン防水

ウレタン防水

・耐用年数:5~10年(5年前後に1度トップコートメンテナンスが必要)
・おすすめ施工場所:屋根、屋上、ベランダ、バルコニー等

<メリット>
・複雑な形状の建物でも施工できる
・低コストで、工期が短い
・継ぎ目がなく、仕上がりが美しい
・部分補修がしやすい

<デメリット>
・紫外線に弱い
・定期的にトップコートの再塗装が必要

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を重ね塗りして防水層を形成する工法です。液体状の原料を使っているため、凹凸のある場所や障害物の多い場所でも簡単に施工可能。さらに、安価かつ短期間で施工できるため、多くの場所で採用されています。

ただし、紫外線に弱いというデメリットもあります。耐用年数は5~10年ですが、防水効果を長持ちさせるためには「トップコート」と呼ばれる保護剤を5年前後に1度塗りなおす必要があるため、その点は注意が必要です。

FRP防水

FRP防水

・耐用年数:5~10年(5年前後に1度トップコートメンテナンスが必要)
・おすすめ施工場所:ベランダ、バルコニー、駐車場

<メリット>
・軽量で強靭
・耐水・耐食・耐候性に優れている
・工期が短い
・継ぎ目がなく、仕上がりが美しい
・部分補修がしやすい

<デメリット>
・地震等の揺れに弱い
・紫外線に弱い
・定期的にトップコートの再塗装が必要

FRP(繊維強化プラスチック)防水の最大の特徴は、軽量で耐久性に優れていること。車両の走行にも耐えうる強靭性があり、屋上駐車場等で採用されるケースが多いです。また、ウレタン防水と同じ「塗膜防水」に含まれるため、シームレスで一体感のある仕上がりになります。耐用年数は5~10年なので、5年前後に1度しっかりとメンテナンスしておくと安心です。

強度の高さが魅力のFRP防水ですが、高硬度で伸縮性がないため、地震等の揺れで亀裂が入りやすいというデメリットもあります。さらに、紫外線による劣化でひび割れしてしまうこともあるため、防水効果を維持するためには定期的なトップコートメンテナンスが欠かせません。

ゴムシート防水

・耐用年数:5~10年
・おすすめ施工場所:屋上

<メリット>
・低コストで、工期が短い
・伸縮性・耐候性に優れている
・軽量

<デメリット>
・複雑な形状や凹凸のある下地に向いていない
・継ぎ目の部分が雨漏りしやすい
・鳥害や衝撃に弱い
・浮きやすい

ゴムシート防水は、合成ゴム系の防止シートを接着剤と粘着テープによって施工箇所に貼り付ける工法です。低コストかつ短工期で施工できるので、部分的な防水や応急処置に向いています。

ただし、シート自体が薄いため、物理的な衝撃に弱く表面が傷つきやすいという一面も。耐用年数は5~10年ですが、シートに破損が見つかった場合は早めにメンテナンスを行いましょう。

また、ゴムシート防水は、施工箇所の形に合わせてシートをカットするため、複雑な形状の建物には向いていません。

塩ビシート防水

・耐用年数:10~15年
・おすすめ施工場所:屋上

<メリット>
・低コストで、工期が短い
・紫外線や熱に対して、優れた耐久性を持っている
・ゴム防水に比べて、物理的衝撃に強い
・デザインが多彩

<デメリット>
・複雑な形状や凹凸のある下地に向いていない
・継ぎ目の部分が雨漏りしやすい
・シートに柔軟性を与えるための「可塑剤」が気化すると割れやすくなる
・部分補修がしにくい

塩ビシート防水は、塩化ビニール樹脂で作られたシートを貼り付ける工法です。紫外線や熱、オゾンに強く、ゴムシート防水より耐衝撃性に優れているため鳥害リスクも低め。色や模様付きのシートもあるので、デザイン性を重視したい場所に向いています。

デメリットは、施工場所が限られることでしょう。ゴムシート防水と同様に、複雑な形状の場所では繋ぎ目部分に欠陥が生じるリスクが高くなります。10年前後で劣化症状が出始めるため、この時期になったら注視しておきましょう。

アスファルト防水

・耐用年数:10~15年
・おすすめ施工場所:屋上、平面上の屋根

<メリット>
・耐久性が高く、耐用年数が長い
・防水層が厚く、水密性が高い
・施工品質が安定している

<デメリット>
・施工費が高く、工期が長い
・工事中に煙や異臭が発生する
・補修が安価ではない

アスファルト防水は、古くから使用されてきた防水工事です。「ルーフィングシート」と呼ばれる、合成繊維不織布にアスファルトを染み込ませて作った防水シートを貼り重ねて防水層を形成する工法で、主に以下3種類の方法で施工します。

・熱工法
高熱で溶融した防水工事専用のアスファルトを接着剤として、ルーフィングシートを複数枚貼り重ねていく工法です。高い防水性を発揮しますが、施工中は煙や臭いが発生するため、周囲へ配慮する必要があります。

・トーチ工法
ルーフィングシートの裏面にコーティングされたアスファルトを、大型のガスバーナーで炙って溶かしながら貼り重ねていく工法です。熱工法はアスファルトを溶かすための溶融釜が必要ですが、こちらは大がかりな施工器具が必要ないため、スペースが狭い場所でも施工可能。煙や臭いの発生を抑えながら、常温工法よりも水密性の高い工法となっています。

・常温工法(冷工法、自着工法)
裏面が粘着シートタイプのルーフィングシートを貼り重ねていく工法です。熱を必要としないため、煙や臭いがほとんど発生しません。ただし、熱工法やトーチ工法に比べると密着度が低く、防水性も劣る傾向にあります。

いずれの方法も防水層が厚く連続するため、高い水密性を誇ります。耐用年数も長いため、短期間でメンテナンスを重ねることが難しい場所に向いているでしょう。

シーリング防水

シーリング防水

・耐用年数:5~10年
・おすすめ施工場所:外壁

<メリット>
・建物の防水性、気密性が上がる
・建物の耐震性が高くなる

<デメリット>
・耐用年数が短い

シーリング防水とは、「シーリング材」と呼ばれるゴム状の素材でコンクリートの継ぎ目や窓と外壁の隙間等を埋める工事のことです。防水性が向上するのはもちろんのこと、隙間を埋めることで気密性も上がるため、省エネにも繋がります。さらに、地震や台風で大きな揺れが生じたときには、シーリング材が伸縮して衝撃を緩和してくれるため、耐震性も高くなるのです。

シーリング防水に大きなデメリットはありませんが、あえて挙げるならば耐用年数が短いことでしょう。5年前後で劣化が表れるため、短期間での補修やメンテナンスが必要になる可能性もあります。

適切な防水メンテナンスで建物寿命を延ばそう

ここまでお伝えしてきたように、適切な防水工事は建物を長寿化させる上で欠かせない存在です。国税庁が発表している建物別の法定耐用年数(=建物寿命)は以下のように定義されていますが、メンテナンス次第ではこれ以上に長持ちさせることができるかもしれません。

・木造・合成樹脂造の建物(店舗用・住宅用)は22年
・木造モルタル造の建物(店舗用・住宅用)は20年
・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建物(住宅用)は47年
・れんが造・石造・ブロック造の建物(店舗用・住宅用・飲食店用)は38年

参考資料:『主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)』(国税庁)


特に賃貸経営を行っている場合は、入居者の安全性を確保するためにも、適切なメンテナンスを行うことが重要になります。

弊社では、防水工事や塗装工事に関する相談やお見積りを無料で承っております。お住まいやマンション、ビルの維持管理等にお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。

防水工事に関するご相談はこちらから

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